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第1回:論文の作法

はじめまして、David McQuireです。私は15年以上にわたりYTBのエディターとして、医学論文を数多く目にしてきました。興味深いのは、グローバル化の進む昨今、世界に向けて発信する言語として英語の重要性が叫ばれているにもかかわらず、日本人の皆さんの書かれた論文が昔と変わらない共通の問題を抱えている点です。第1回では、英語のネイティブではない皆さんが英語で医学論文を書く上での大切なポイントについてお話します。

私が校正を担当する際のモットーは、「英語を母国語としない人にも理解される、明確で簡潔な論文」に少しでも近づけることです。その理由は、皆さんが英語を母国語としないのと同じように、論文を評価するエディター、レビューアー、読者も英語を母国語としない可能性が大きいからです。ここから誤解や混乱が生じます。せっかくの研究成果も英語の壁で正当に評価されなかったら意味がありません。

では、この執筆する人と評価する 人との間の誤解や混乱を避けるにはなにが必要でしょうか。私は論文を書くときの3つの基本として、「学術的な価値」「情報の内容」「原稿の質」が重要だと考えています。「学術的な価値」とは、研究のオリジナリティとその仮説を証明するための適切なデザインのことです。たとえ驚くような結果が得られても、デザインに不備があって再現性が確保されていなかったらまったく評価されません。「情報の内容」とは、科学論文に必要とされる情報をすべて提示しているかということです。各ジャーナルの投稿規定に沿って情報を提供するのはもちろんのこと、他の研究者がその結果を再現できるだけの情報が含まれていなければいけません。

最後は「原稿の質」になります。これは、内容が論理的に組み立てられ、一定の英語のレベルに達しているかということです。実際のところ、皆さんも経験があると思いますが、筋道立てて書かれておらず、言葉も稚拙な文章は読む気が失せてしまいます。ジャーナルの関係者も同じことです。投稿規定に沿って内容を論理的に組み立てると同時に、英語のスペル、文法、簡潔なセンテンスにするなど最低限の配慮が必要となります。もちろん英語に多少の問題があったとしても、内容が正確に理解されさえすれば、英語の質だけでリジェクトされることはありません。しかし、レビューアーにマイナスの印象を与えてしまい、リジェクトの方向へと傾かせてしまうことは確かです。このリスクを避けるためには、やはりネイティブの校正を受けられることをお勧めします。

今回お話した「情報の内容」と「原稿の質」については私がアドバイスできる領域ですが、「学術的な価値」については皆さん自身が論文を書く最初の段階で特に留意しておく必要があるでしょう。次回は、実際に論文を書く上での各セクションの注意点についてお話したいと思います。それでは。