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なぜ世論調査システムは破綻しているのか

世論調査に対するメディアや一般市民の信用は厚いものの、イギリスやアメリカで実施された過去3回の投票では、いずれも世論調査が大きく外れました。世論調査では、2015年のイギリス総選挙は「大接戦」が予測されていましたが、実際は保守党が安定多数を獲得しました。2016年の世論調査では、イギリスのEU「残留」の可決が予想されていましたが、「EU離脱派」が勝利しました。アメリカ大統領選の世論調査では、ヒラリー・クリントンの快勝が予測されていましたが、次にホワイトハウスに乗り込むのはドナルド・ドランプです。

なぜこうした事態が起こるのでしょうか? 世論調査が全く当たらない原因は何でしょうか?

これにはいくつかの理由が挙げられます。

まず、世論調査は現在でも多くの場合、20世紀から変わらない方法で実施されていることです。世論調査会社では、選択的に各家庭に電話をかけ、誰に投票するか尋ねます。しかしながら現在では、若い世代をはじめ私たちの多くは、通信手段として携帯電話への依存が大きく、固定電話を持っていない人さえいます。また、固定電話があっても、以前と比べて、近頃では回答を渋る様子が見られます。その他に、携帯電話番号を活用するための完璧なデータベースが構築されてなく、どうすれば包括的かつ費用対効果の高い方法で携帯電話を調査に「取り込める」かについて、「世論調査員」間で合意が見出されていません。

正確な結果を得るには、母集団の代表となるサンプルに世論調査員がインタビューする必要がありますが、携帯電話の普及により、こうした調査が非常に難しくなっています。さらにインターネット世論調査でも、誰もが積極的に参加しようとするわけではなく、参加に前向きな人だけでは代表となるサンプルにはならないため、この方法でも母集団の代表の調査にはなりません。

これと同様に、最近では問い合わせを受けるのを嫌がる人が多く、米国での「回答率」(質問に応じて調査に回答した人の割合)は、1930年では90%を超えていましたが、2012年は9%になり、現在も減少が続いています。

また、一般集団の世論調査と、実際に投票する選挙民の世論調査が異なることも考慮する必要があります。イギリスでは成人の約40%は投票していません。これによりまた世論調査員の予測がゆがめられます。つまり世論調査には、一般的な世論が反映されているかもしれませんが、必ずしも実際に投票する人の世論を反映しているとは限らないのです。

もう一つの事実として、自分が誰に投票するかについて、人は嘘をついたり、秘密にする場合があります。トランプやEU離脱派のケースのように、物議をかもす候補者や思想を支持するときは特にそうです。

最後に、世論調査員やジャーナリストに「主観的な偏見」があることを考慮する必要があります。世論調査の投票数は当初は「生データ」であり、分析する必要があります。しかし、世論調査は信用できないという発言を数ヶ月に渡って繰り返し述べていたあるデータジャーナリストによると、こういったデータは分析をする人の意見に寄せた形で解釈がなされるようです。

世論調査会社は、当然こうした問題や欠点を認識しており、調査方法の改善に向けて取り組んでいますが、私個人としては、調査会社の予想を信用しなおすのは、もっと先になるでしょう。。