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スコットランドは英国を離れるか

現在、英国(UK)でさかんに論じられている問題に、スコットランドが「連合」を離れるかどうかがあります。ご存じの通り、英国は4つの国で構成されています。イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズは、議院内閣制を持つ立憲君主制の下に連合した4つの主権国家です。イングランドとウェールズによるスコットランドとの連合は、1603年にエリザベス1世が没し、遠縁の甥であるスコットランドのジェームズ6世がイングランド王ジェームズ1世となったことに端を発しています。いずれの国もすでに議会を持っていましたが、ジェームズ1世はすべて国の王として統治を行いました。1707年の「連合法」により、すべての国が連合して「連合王国(UK)」となりました。スコットランドは法体制など一部の権限を維持したものの、これ以降、UKはロンドンのウェストミンスターから統治されることになったのです。

少数の「連合」反対派は常にいたものの、勢力が拡大したのは1970年代になってからです。1974年、スコットランド人の30%を越える得票数を得て、ウェストミンスター議会にスコットランド国民党(SNP)議員11名が選出されました。時代とともに、ウェストミンスターからスコットランドとウェールズに権限の一部を移譲せよという圧力が高まっています。1997年の総選挙における労働党の勝利に続き、スコットランドとウェールズで自治に関する住民投票が行われ、その結果、「スコットランド議会」、「ウェールズ議会」、「北アイルランド議会」が創設されました。

2011年のスコットランド議会選挙でのSNPの勝利を受け、党首アレックス・サルモンドはスコットランドの完全独立を問う住民投票を約束しました。投票は2014年9月に実施されます。独立運動は拡大していると言われていますが、現時点の世論はUK残留賛成派が多数を占めています。ただ、世論が割れていることから、実態ははっきりとしていません。

独立した場合、スコットランドはどうなるのでしょう。多くの問題がありますが、主な事項は次の通りです。SNPはスコットランドの非核兵器化を望んでおり、これはグラスゴー近郊のファスレーンにあるUKの原子力潜水艦基地の閉鎖を意味しています。その結果、雇用の喪失が予想されています。また、スコットランド軍全般の身分も問題です。アイルランド共和国(当時のアイルランド自由国)が1922年に独立した際は、ゼロから軍隊を作る必要がありました。SNPは引き続きNATOの加盟国でいたいとの意向を示していますが、NATOは核武装しているため立場はあいまいにも見えます。

スコットランドは自動的に欧州連合(EU)の加盟国になるとSNPは主張していましたが、そうでないことがあきらかになっています。EUの議長を含む欧州の多くの政治家が、異議を唱えているからです。様々な意見があることから、加盟が簡単にいかないことが考えられます。自国内に独立を求める地域があるスペインのような国は、反体制派を勢いづかせないためにも、加盟に反対票を投じると予想されています。国連への加盟も自動的には行われません。いずれも前例となる同様のケースがないからです。

通貨の問題もあります。当初、SNPはユーロ圏への参加に賛成していましたが、参加には何年もかかる作業が必要だと指摘されて以降、ポンド貨に留まる方針に転換しました。UKの首相を含む多くの政治家が、これを不可能だと言っています。可能だと言う人も、通貨政策はウェストミンスターの支配下にあることから、スコットランドの自由にはならないと指摘しています。

国王についても問題があります。女王エリザベス2世はイングランド国王とスコットランド国王双方の子孫であり、SNPは彼女を国王としたい意向を示しています。しかし、独立に賛成する複数の少数政党は共和制を訴えています。

現時点では、両方の意見に関して活発な世論キャンペーンが行われています。賛成派はSNPといくつかの少数政党、反対派は保守党、自由民主党、労働党です。どちらのキャンペーンにも成功と失敗があります。独立についてのメドはまったく立っていません。確実なのは、スコットランドが9月に独立を選択した場合に、過去300年で初めての変化が英国で起こるということです。