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ジャバウォックの詩から考える英語の読解

英語や外国語で書かれたものを読むと、多かれ少なかれ知らない単語と出会います。その度に辞書を引いていては、読書が中断してうんざりしますよね。そんなことをしなくても、品詞や文脈から判断して意味を推量したり見当をつけることができます。

『不思議の国のアリス』の続編として1871年に出版された『鏡の国のアリス』で、作者のルイス・キャロルが書いたナンセンス詩「ジャバウォックの詩」を見てみましょう。子供のころに読まれた方もいるかもしれません。日本語ではどんな訳になっていたのでしょうね。

詩を読んで、話の状況をつかんでください。品詞の特定を忘れないようにしましょう。品詞があやふやな場合は、知っている名詞や動詞を入れて、あうかどうかで判断しましょう。

Jabberwocky

'Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe;
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.

"Beware the Jabberwock, my son!
The jaws that bite, the claws that catch!
Beware the Jubjub bird, and shun
The frumious Bandersnatch!"

He took his vorpal sword in hand:
Long time the manxome foe he sought—
So rested he by the Tumtum tree,
And stood awhile in thought.

And as in uffish thought he stood,
The Jabberwock, with eyes of flame,
Came whiffling through the tulgey wood,
And burbled as it came!

One, two! One, two! and through and through
The vorpal blade went snicker-snack!
He left it dead, and with its head
He went galumphing back.

"And hast thou slain the Jabberwock?
Come to my arms, my beamish boy!
O frabjous day! Callooh! Callay!"
He chortled in his joy.

'Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe;
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.

第1節は最も奇妙かつ難解です。ここでは光景が設定されています。「Twas」は「It was」の省略形なので、「brillig」は形容詞か名詞になります。おそらく天気や時刻が書かれているのでしょう。「slithy toves」とは形容詞と名詞の組合せで、たぶん「slimy toads(ネバネバしたヒキガエル)」のことと思われます。「gyre and gimble」は動詞です。「gyre」は「gyrate(旋回する)」を、「gimble」は「gamble(dance踊る)」を連想させます。「wabe」は(その前に「the」があるので)名詞となります。見知らぬ生き物たちがどこかの場所(たぶん屋外の広場)で円舞を踊っている光景が目に浮かびませんか。このとき、正確な光景は重要ではありません。品詞の特定を通して、全体像が「形成」できることが重要なのです。

同様に考えると、「borogroves」と「mome raths」も名詞で、やはり生き物になります。また「mimsy」は形容詞、「outgrabe」は動詞となります。

なにも理解できないままで詩の全体を読み通したら、最初に戻ってまた読んでみましょう。今度はもっと楽にいくはずです。

第2節は引用符からわかるとおり、父親が息子に話しています。ジャバウォックはどう見ても「爪」と「顎」のある恐ろしい怪物です。「Jubjub bird」はもちろん鳥で、「Bandersnatch」はまた別の「fumious」(形容詞)な怪物になります。

ここまでやる気をなくさずに来られたら、詩の後半はずっと簡単になります。「vorpal sword」はなにかの剣、「manxome」は形容詞、「Tumtum」は樹木の類でしょう。同様に、「uffish」と「tulgy」は形容詞になります。

そして、再び父親のセリフになります。今日は「frabjous」な日だとあります。おそらく「fabulous(素晴らしい)」と「joyous(うれしい)」の合成語でしょう。「Callooh」と「callay」は明らかに喜びの表現になります。

最終節は最初の繰り返しで、物事が正常に戻り、自然の秩序が回復されたことを暗示しています。

なおキャロルがここで発明した言葉、「burble」、「galumphing」、「chortle」などは今や一般的な単語になっていて、もはやナンセンス語とは見なされていません。

つまり、品詞や文脈を注意して見ていけば、ジャバウォックの詩のような意味をなさない単語を使っても、楽しい光景を創り出すことができるのです。

ところで、ここに出たナンセンス語の多くは、後に『ハンプティ・ダンプティ』やキャロルの詩集『スナーク狩り』で説明されています。たとえば「brillig」は午後4時の意味で、「raths」は緑色のブタの一種のことです。