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KCPの和訳講座:英文和訳のポイント

第7回 カタカナ表記

新年、明けましておめでとうございます。本年もKCPコラムをよろしくお願いいたします。

さてさて、新年の最初の課題は「カタカナ表記」についてです。翻訳の講義などをしていますと、「クスリの名前はカタカナ表記ですか?それとも英語で構わないのですか?」、「人名は…」、「細菌の名前は…」などなど、カタカナ表記についての質問をしばしば受けます。

基本的には、メディカル文書内では出来るだけカタカナ語を使用しないようにし、日本語で表現することが求められます。特に動詞としてカタカナを使うこと(コントロールする、アレンジする、リファーする)は絶対に避けましょう。

しかし、一般向けの新聞や雑誌の記事であれば、読者は医薬品や病気の名前に不慣れな人が多いでしょうから、カタカナ表記するのが良いでしょう。ただし、一般の新聞や雑誌の記事でよく見かけるカタカナ誤記としては「×インシュリン、○インスリン」、「×リューマチ、○リウマチ」、「×ギプス、○ギブス」、「×ビールス、○ウイルス」などがありますので、注意しましょう。

と言うことで、カタカナ表記をどう扱うかを少し考えてみましょう。

(1) 医薬品などの名称の表記
メディカル翻訳をしていますと、医薬品や医療機器の名前あるいは病気の名前が多く出てきますが、これらをカタカナで表記するか、英語でスペルアウトするかの判断に迷うことが多いかと思います。

判断基準のひとつは、日本国内で発売・使用されているものはカタカナ表記にすることです。国内で発売・使用されているものであればカタカナでの名称が公表されていますので、医薬品集や発売元のウエブなどで確認できます。医療用医薬品や一般用医薬品であれば、PMDAのウエブ(http://www.info.pmda.go.jp/)に「医療用医薬品添付文書情報」や「一般用医薬品添付文書情報」、その他に医療機器や体外診断薬の添付文書情報が公開されていますので、それらから日本での商品名などが検索できます。逆に、日本国内ではまだ発売・使用されていないものは、カタカナの名称がありませんので、英語でスペルアウトすることになります。

(2) 既にカタカナ化しているものの例
メディカル文書の中では、すでにカタカナ化していて無理に日本語にするとかえって意味が解らなく単語が多くあります。例えば、治験などで使われるウオッシュアウト(洗い出し、除薬期間など)やベースライン(投与前値、基準値など)などは対応する日本語の方が見慣れないものとなっています。

その他にも、①すでに日本語として定着している語(イメージ、エントリー、カテゴリー、コーディネート、マネジャーなど)、②病名,機器,器具などを表す語(アルツハイマー、プラセボ、メス、マスク、アトピー、スキャナー、ベッド、ペースメーカーなど)、③先端医療技術に関する語(クローニング、ポリペクトミー、バイオプシー、ハイブリッドなど)、④漢字が難しい、発音しやすいなどの便宜的理由で使われる語(サロゲート、ブラインド、ドナー、バイタル、モニタリングなど)、⑤日本語であるがカタカナ表記される語(クスリ、オス、メス、ヒト、タンパク、ビランなど)、⑥一見英語だが実は和製語(ケアハウス、シルバーヘルス、ソーラーシステム、トイレ、クリニックカー、エコマーク、グループワークなど)これらは、時としてカタカナの方が正確に意味が伝わりますので、使い分けが必要となります。

今年が皆様にとって実り多いものでありますように・・・

第8回に続く・・・