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KCPの和訳講座:英文和訳のポイント

第8回 接続詞の訳し方

今回は、andやorの訳し方です。翻訳家の中にも「and=および」、「or=または」と固く信じて疑わない方がいますが・・・。

英文では、複数のものを並列で述べる場合には最後のものの直前にandかorを入れ、それ以外はカンマ(,)で区切るというルールがあります。これを逆に言いますと、複数のものを並列で述べる場合には必ずandかorを使わなければならないと言うことです。日本語の「A, B, C, Dなど」とかにあたる記述は英文にはありません。

英語ではどちらを使ってもかまわない場合でもどちらかを使わなければならないので、Nativeの人達でも、andで繋ぐのかそれともorで繋ぐのか悩む場合が少なからずあるのだそうです。例えば、次のような英文を見てみましょう。

No use of development code or tradename.

「開発コードも商品名も使用禁止」という何の変哲もない英文です。英語的には開発コードだけでなく商品名も使用を禁止しているので“or”を使ったといことです(andでも英文の意味は同じです)。このorを日本語の「または」と訳してみると、

開発コードまたは商品名の使用禁止

と言うことになります。しかし、この日本語には開発コードあるいは商品名を単独では使用できないが、開発コードと商品名を併記すればOKというニュアンスが残ってしまいます。「開発コードも商品名も使用禁止」と言うのが正しい和訳ですが、ここではor=and(〜も)と訳していることになります。

では、次の2つの英文の違いを説明できますか?

1. Patients can purchase some good herbal medicines in California and Texas.
2. Patients can purchase some good herbal medicines in California or Texas.

これは日本語でも起こりうることですが、1.の文のandは例示の意味を示しています。つまり、一般的に言って「良い生薬はカリフォルニア『』テキサスで購入できます」ということで、「例えばカリフォルニア、テキサスなどで」という使い方です。

一方、2.の文のorは具体的に指定している意味を示します。例えば「米国南部で良い生薬を買いたいのだが何処へ行けば良いか?」と言うような質問に対して、具体的に「良い生薬ならカリフォルニア『』テキサスで購入できます」という具合に使われます。

この様に、ワンパターンで「and=および」、「or=または」と訳していると適切ではない和文になってしまう事がままあります。特に契約書などの利害関係を示した文章ではこの点を注意しないと、とんでもないことになります。あくまでも文章の意味から「および」なのか「または」なのかを判断することが必要でしょう。

さらに、日本語では「大ならび、小ならび」というルールがあります。これは、大きいグループをつなげているandを「ならびに」と訳し、グループ内の小さい要素をつなぐandを「および」と訳す。同様に、二つの大きいグループのいずれかという意味で使われているorには「または」を当て、グループ内の小さい要素間の選択肢を示すorは「もしくは」と訳すのです。

この代表的例として、天皇の国事行為を定めている憲法第7条第5号を示しましょう。

「国務大臣および法律の定めるその他の官吏の任免ならびに全権委任状および大使および公使の信任状を認証すること」

「ならびに」が大グループの繋ぎですから、天皇の国事行為には「官吏の任免」と「信任状の認証」の大きく2つの行為があることが読み取れます。このルールに従ってandやorを訳すと訳文がしっかりしてきますので、参考にしてください。

デハマタ・・・

第9回に続く・・・