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第2回:論文の「情報の内容」

こんにちは、David McQuireです。今年の日本は暖冬と聞きましたが、私の住むオーストラリアはこれから夏を迎えようとしています。この年末/年始のまとまった時間に論文を書かかれる方も多いと思いますが、ぜひこの連載を参考にしてください。

さて、今回は、論文の各セクションについて具体的な話をする前段階として、より一般的な、前回触れた「情報の内容」に関係した基本的な注意点についてお話します。論文は通常、Title, Page, Abstract, Text (Introduction, Method, Result, Discussion), Referenceから構成されますが、案外、投稿規程のことを忘れて執筆している場合が見受けられます。

まずTitle Pageについてです。ここでは、住所、電話/ファックス番号、E-mailアドレスなどの基本的な情報が抜けていたり、TitleやRunning headが規定の文字数を越えている場合があります。Abstractも同様に、規定のワード数を越えていたり、ひどいときには規定のStructured format (Background, Objective, Design, Result, Conclusionといった見出し) を無視したケースを目にします。事前にしっかりと確認しましょう。

論文の中心となるTextは、通常、Introduction、Method、Result、Discussionの順に展開していきます。ここでの重要ポイントは4点です。まず、倫理基準に関する記述です。例えば、「ヘルシンキ宣言を遵守している」、「倫理委員会の承認を得ている」、「被験者からインフォームドコンセントを取得している」といった簡単な記述が抜けている場合が見られます。「なんだ、こんな些細なことか」と思われがちですが、ジャーナルによっては、この記述がないだけで自動的にリジェクトするところもありますので注意してください。

次に、略号の取扱いにも細心の注意が必要です。うっかりしやすいのは、一般に広く使われている略号でも、最初に使用する時点ではフルスペリングが必須だということです。また、あまり広く使用されていない略号の多用は避けましょう。略号はできる限り避けた方が無難であることを覚えておいてください。

3点目は、情報の提供の仕方に関する問題です。よく目にするのは、すでに公表されている方法や結果を冗長に引用するケースです。記述をそのまま引用できることが理由と思われますが、これはまったく不要です。逆に、これから投稿する論文では、まず新規の方法、統計手法に関して詳細な情報を提供することが最も重要です。これは、前回述べた、ほかの研究者による再現性を確保するためです。また、Figure/Tableに示した被験者数・観察数といった基本的なデータはResultで述べます。

4点目は、Textの質に関する問題です。繰り返しを避け、文章を簡潔にすることを心掛けてください。例えば、Introductionの内容をDiscussionで繰り返さない、同じくResultの内容をDiscussionで過度に繰り返さない、ResultではFigure/Tableの繰り返しを避けるといったことで、文章はだいぶすっきりするでしょう。またDiscussionでは、繰り返し、憶測、無関係なコメントを避け、Text全体の1/4程度の長さに抑えるようにします。

最後に、Referenceについてです。よく見かけるのは、投稿規定に指定されたスタイルを無視した記載です。記載する著者数は指定されている場合が多く (例えば、3人まで、全員など)、(.)、(, )、(:)、(;) などの細かい使い方にも注意が必要です。Textでの引用番号とReferenceでの番号の不一致などは論外です。

以上、今回はよく目にする、論文作成上の基本的な注意点をお話しました。これらはケアレスミスのように思われますが、論文の中身を問う前に、まず投稿先がチェックするポイントですので気をつけてください。次回以降は、各セクション別により実践的で具体的なお話をしたいと思います。それでは。