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第19回:論文のDiscussion (3)

こんにちは。David McQuireです。引き続きDiscussionのセクションを取り上げます。今回はDiscussionの冒頭を書く際のヒントを例を挙げて紹介します。

例1:Drug XとDrug Yの1日1回投与による高血圧コントロールの効果を比較する臨床試験を実施した。自律神経系に対する作用を心拍変動スペクトル解析によって検討した。

上記の場合、Discussionはどのように書き始めればよいでしょう。
まず以下の英文を見てください。

Dihydropyridine calcium antagonists are widely used in the treatment of hypertension. Among these drugs, Drug X is a novel dihydropyridine derivative that inhibits both L-type and N-type voltage-dependent calcium channels.

冒頭では、まず検討した薬剤のクラスを述べることが考えられます。上の英語はDrug Xの特性を述べていますが、この情報はすでに文献でも明らかになっている一般的な情報なのでわざわざ取り上げる必要はありません。DiscussionではなくIntroductionの冒頭に書きましょう。

それでは良い英文を考えてみましょう。この試験の重要な点は、「Drug Xの1日1回投与は患者のコンプライアンスを高めると同時に、Drug Yで問題となる自律神経系の作用が弱い」と考えられます。したがって…

The present study revealed that Drug X was an effective antihypertensive agent when administered once daily and had a smaller influence on the autonomic nervous system than Drug Y.

ここでは血圧の実際の値を述べる必要がないことに注意してください。

例2:Drug XとDrug Yの白衣高血圧に対する作用を比較する試験を実施した。白衣高血圧とは、ストレスに対する昇圧反応の亢進との関連性が報告されており、高血圧の心血管系合併症に関係している可能性が指摘されている。Drug X群の患者では、白衣効果による収縮期圧の上昇がDrug Y群より有意に少なく、白衣効果に対する抑制作用はDrug Y群よりDrug X群で有意に優れていた。

上記を英語にしてみましょう。

The white coat effect is the name for the pressor response caused by measurement of blood pressure in the clinic. It is reported to be associated with an enhanced pressor response to stress that may be related to the cardiovascular complications of hypertension.

例1と同様に、「白衣効果」に関する一般的な説明は不要です。これはIntroductionで取り上げます。したがって以下のように書き直します。

In the present study, the patients receiving Drug X therapy showed a significantly smaller white coat effect on systolic blood pressure that the patients treated with Drug Y. In addition, administration of Drug X caused a significant reduction of the white coat effect compared with that before treatment.

Discussionの冒頭では結果の概要を簡潔にまとめて提示することが重要です。一般的な情報を繰り返すことや具体的な数値を取り上げることは避けましょう。

次回も引き続きDiscussionのセクションを書く際のヒントをお話します。 それでは。