これまでもご紹介してきたとおり、英国はイングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランドの4か国からなる連邦王国です。スコットランドは中世初期から独立国家を形成していました。この独立国家はイングランドとウェールズが正式に合併し英連合王国を建国した1707年まで続きました。この間、ジェームズ1世が1603年にスコットランド国王ジェームズ6世に即位し非形式的に英連合王国に統合されるという歴史を経ています。
スコットランドは独自の法体系と教育制度を持ち、活気ある興味深い文化の国です。しきたりや言語も独特で、固有のケルト語とスコットランドのゲール語を話します。 スコットランドはグレートブリテン島の北側とおよそ800もの島々で構成されています。主な島としてNorthern Islesとヘブリディース諸島が挙げられます。東に北海、北と西に大西洋、そして南東にアイルランド海に面し、本土は北側のハイランド地方と南側のローランド地方の2つに分けられます。ハイランド地方はストーンヘブンの北東に位置するアラン島の西海岸につながるHighland Boundary Faultの北側と西側に位置します。ハイランドという地名のとおり多くの山々と湖があり、スコットランドの入り江(lochs)と呼ばれる自然に恵まれた景勝地です。ローランド地方はなだらかな起伏の丘陵地で、元来田園地方です。 スコットランドの首都は国内2番目の大都市エジンバラです。エジンバラはスコットランド啓蒙主義と呼ばれ、商工業や教育分野の発展が大いに奨励された18世紀依頼、ヨーロッパ屈指の大都市であり続け、デビット・ヒューム、アダム・スミス、ジェームズ・ハットン、ロバート・バーンズ、ジェームズワットなどの名士を輩出しています。今日、エジンバラは欧州経済の中心都市の一つとなっています。 グラスゴーはかつて世界有数の工業都市の一つでしたが、今でもスコットランドで最も大きい都市です。3番目に大きい都市は東海岸に位置するアバディーンです。アバディーンはスコットランドの石油産業の中心地で、スコットランドの西側と東側の海域は欧州連合の石油資源の頼みの綱であることから「oil capital of Europe」として重宝がられています。 スコットランドの気候は温暖な海洋性気候で、非常に変わりやすい特徴があります。ブリテン島のその他の地域のようにスコットランドでもメキシコ湾流に面した地方では、冬は他よりも温暖ですが、夏は同じ緯度に位置するカナダのラブラドール地方やモスクワ近辺、日本の北東にあるカムチャッカ半島などと比べ一層気温は低く、湿度が高い気候になります。これまで最も低い気温を記録したのは1895年の摂氏マイナス27.2度、最も高い気温は2003年の摂氏32.9度です。 スコットランドのキルトやバグパイプなどの分化、音楽をはじめ、地元なまり、文学、著名な作家、スポーツ、ハギスなどの伝統料理、ウィスキーなどなど話題は尽きませんが、今回はこのへんで。 それではグラスにウィスキーを注ぎ、オンザロックか水割りかはお好みで、スコットランドのゲール語で“slainte mhath” - 健康に - と乾杯しましょう。 |
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7月 2022
筆者Jeff |